Biography

故郷インドのコルカタを離れ、現在はニューヨークを拠点に活動するリナ・バネルジーは、ポストコロニアル的ディアスポラの代表とも言えるアーティストです。バネルジーが作る作品は、自身の出自を反映するかのように多面的であるとともに、繊細かつ力強く、西洋と東洋の境界を溶解させうる力を持っています。また、彫刻においても絵画においても、コラージュの技法を用いて異なる世界をひとつのフレームに共存させることで、多様なものが強く絡み合う都市の様子を的確に表現しています。彫刻には様々な素材が用いられていますが、バネルジーはストリートマーケットで容易に見つけられそうなそれらを、どこから来たものなのか考えながら選び取ります。そうして選ばれた羽根、テキスタイル、樹脂製の角、ビーズ、傘等は、人類学や民族誌学、神話、そしてインドのディアスポラなどを示唆します。バネルジーは、まずレディメイドである素材を解体し、それらをハンドメイドによって再構築することで、都市、ポストコロニアリズム、ディアスポラといった自身の属性の優れたメタファーを作り出すのです。

リナ・バネルジーは1963年、インドのコルカタ生まれ。ニューヨーク在住。イェール大学芸術学部にてMFA取得。主な展覧会に「Rina Banerjee: Make Me a Summary of the World」Pennsylvania Academy of the Fine Arts、フィラデルフィア(2019年)、「釜山ビエンナーレ」F1963 (KISWIRE Suyeong Factory)、釜山(2016年)、「Greater New York」MoMA PS1、ニューヨーク(2015年・2005年)、「第55回ヴェニス・ビエンナーレ」ベニス(2013年)、「第7回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」Gallery of Modern Art and Queensland Art Gallery、ブリスベン(2012年)、「横浜トリエンナーレ2011 - Our Magic Hour」、BankART 1929、横浜(2011年)、「ホイットニー・ビエンナーレ」Whitney Museum of American Art、ニューヨーク(2000年)など。Centre Georges Pompidou(パリ)やFondation Louis Vuitton pour l'Art Contemporain(パリ)、Whitney Museum of American Art(ニューヨーク)他多数の美術館に所蔵されています。

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