六本木モスク: 半田真規

Overview

半田真規は出会った風景や物事を契機として、そこに自らの感覚を開き、時に支離滅裂で流動的な世界を作品化します。本展では、半田がかつて海老名あるいは代々木上原のモスクで見た<150面体>を、欧州で探し、アンダルシアでそのシルエットを集め、六本木で再構築を試み、天井高ぎりぎりの高さの構造物を中心とした回廊的インスタレーションを展開します。

今回の展示の中心要素<150面体>は、イスラム教徒にもあまり広くは認知されていないイスラム教のシンボルのひとつであり、通常、各面にアッラーの99の美名が書かれます。世界各地に数多あるイスラム圏の都市、そこで日々繰り返される信仰と日常の営みを、半田は「言い表せない大きな枠と幾重にも重なるレイヤー」と感じ、さらに「どんなものも表面の表面までは説明できない、物事や宇宙は人の気を知らない。」と語ります。イスラム世界にとどまらない地球儀的世界図としての<150面体>を、直径、高さともに3m程度の真鍮とガラスで構成、バターミルクで彩色し、これに付随した真鍮やタイルで構成した作品とあわせて「六本木モスク」と題したインスタレーションとして提示します。

半田真規は1979年神奈川県生まれ。2003年に東京藝術大学美術学部を卒業。2006年越後妻有トリエンナーレでの孟宗竹で作った巨大ブランコを複数設置した作品「ブランコはブランコでなく」や、2007年水戸芸術館でのマイクロポップの時代展での「世界境地博覧会」、2010年の建築外壁材でギャラリーの内壁を覆いつくした「スタディー」など、屋内外に圧倒的なボリュームのインスタレーション作品を展開。2008年からの一年間は『ロレックス メントー&プロトジェ アートプログラム』でレベッカ・ホルンと一年間スタジオを共有し、師と生徒としてベルリンを拠点に活動、これに続き2010年からは文化庁の助成を受けドイツを拠点としてヨーロッパでのフィールドワーク作を継続しています。

また、本展と関連した新作インスタレーションを10月4日より国立国際美術館にて開催されます「世界制作の方法」に出品いたします。こちらもあわせてご覧ください。

 
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