モニール・ファーマンファーマイアン: モニール・ファーマンファーマイアン

Overview

1924年イランに生まれたモニール・ファーマンファーマイアンは、1944年にニューヨークへ渡りコーネル大学で美術(1944-46)を、パーソンズ美術大学で服飾デザイン(1948-51)を修学しました。ニューヨークで商業デザイナーとしてキャリアを積んだ後、1957年イランに帰国。その後60年代に母国の伝統工芸からその特徴的技法である、鏡の幾何学モザイクと硝子彩色技術に作品の着想を得て制作を展開していきます。彼女の作家としての評価は70年代に高まりますが、1979年に起こったイラン革命により、祖国を離れ再びニューヨークへ亡命を余儀なくされます。その間は制作活動が制限され、帰国した2000年より再び作家として活動を再開しました。

モニールの作品は、そこにイランの伝統工芸、伝統、イスラム教にみられるパターン、そしてモダニズム精神の要素が融合し、光輝く豊かな結晶として具現化されています。伝統的ペルシャ建築に顕著な幾何学模様の様式に基づいた丸や三角、あるいは多角形が、鮮やかに彩色された硝子と鏡のモザイクによって形作られます。ハンドカットによる硝子・鏡片は、ひとつひとつが繊細で儚く見えますが、その集積はそれらの要素を凝縮し、圧倒的な力強く魅力的な風景を紡ぎだします。

近年では、Victoria and Albert Museumでの『Monir Shahroudy Farmanfarmaian: Mirror Mosaics』(ロンドン、2007年)やヴェネチア・ビエンナーレ(2009年)に出展。昨年末から今年の春までQueensland Art Galleryにて開催された『the 6th Asia Pacific Triennal ofContemporary Art』(オーストラリア、2009年)でのスケールの大きい展示が好評を博し、記憶に新しいところです。今年は、『the 29th Sao Paulo Biennial』(ブラジル)に出展し注目を集めました。来年にはサーペンタイン・ギャラリーのディレクター、ハンス=ウルリッヒ・オブリストによる900ページに及ぶモノグラフが刊行される予定です。

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