梅田哲也「迷信の科学」: 梅田哲也

Overview

梅田哲也は日用品や家電を改造し組み合わせた装置を作
り出します。 時に光や音を発し、動きを伴うその装置
は周囲の環境や空間と関係を作りながら観るものをたち
まちひきこみます。  
その活動は空間インスタレーションやライブパフォーマ
ンスなど多岐にわたり、これまでに「門」(ARCUS、
2008年)を始め、「クリテリオム」(水戸芸術館、
2008年)や「Extended Senses」(NTT Inter
Communication Cen-ter、2008年)など国内外の展
覧会、音楽フェスティバルに数多く参加してきました。

この度の展覧会では、梅田は勝どきや築地周辺を散策し
ながら素材を収集しそれらのパーツをギャラリー空間で
複数のインストルメントとして再構成しました。ギャラ
リー1階にある酒屋の倉庫にあった日本酒の樽や物干し
竿、築地市場からであろう発泡スチロールは水や空気、
電気により動いたり、光ったりと干渉しあい、相互に作
用します。 それはまるで自ら呼吸する楽器のようです。 
そこにはこの近辺やそれぞれの道具への批評やコメント
はなく感覚への作用だけが存在します。 それは解釈や
意味を求める必要のない時空であり、あたかもアートや
作品でなくとも平気な顔をした交感するためのインスト
ルメントであるかのようです。

迷信とはわれわれが信仰してきた美術という言説なのか
もしれません。

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