サスキア・オルドウォーバース: サスキア・オルドウォーバース

Overview

サスキア・オルドウォーバースは1971年にオランダで生まれ現在はロンドンをベースに活動しています。 2003年のバーゼル・アートフェアでバロワーズ賞、翌2004年にはベックス・フューチャー賞に選ばれるなど近年盛り上がりを見せる映像表現の先鋭的な領域の一
翼をになっています。

新作「デッドライン」は作家が4週間滞在した西アフリカで見聞きした民話、ガンビアという漁村の歴史や実体験をもとに制作されました。これまでの手法に倣い綿密に作られある種象徴的あるいはメタファーとしてのオブジェクトを撮影した映像に、遠くアフリカで起こったある一家にまつわる物語を重ね合わせています。 物語は全く同じ時刻に生まれた異母兄弟の双子である父と叔父の生い立ちに始まり、不可逆なはずの時間を遡り100年以上も前の一族の出来事を語ります。
またナレーションは父と私の車での旅の現在を織り交ぜながら過去と現在とが交錯する不安定で魔術的なリアリティを表現します。

映像は時間をかけて入念に制作された模型にこれもまた計算されたライティングを施してスタジオで撮影されています。 すべての模型は制作された人工物ですが、語りかけるナレーションとともにあたかも呪術的な効果を与えます。 まさに作品が、虚と実と物語性
が奇妙に入り混じる時空を構成します。

Works
Installation Views