アキラ・ザ・ハスラー(1969年東京都生まれ)は、1995年に京都市立芸術大学大学院絵画研究科を修了。学生時代に「APP(エイズ・ポスター・プロジェクト)」に参加したことをきっかけに、エイズ、セクシュアリティ、原発、人種差別といった社会問題を一貫してテーマに掲げ、常にアーティストとアクティビストとが交差する地点に立って活動してきました。
2000年の初個展を皮切りに2000年代前半にオオタファインアーツで開かれた個展では、写真や映像を用いたインスタレーションを発表。ゲイ・ホスト/セックスワーカーとして働きドラァグクイーンとしても活動していたアキラは、HIV啓発活動や反戦運動を展開し、政治状況や他者を見るまなざし、世界や未来に対する個人の姿勢に問いを投げかけました。
2008年の展覧会「Living Together」では、HIV陽性者やその家族、パートナーの声を可視化し、社会の中で声を上げにくい状況にある人々の現実を浮き彫りにしました。このプロジェクトでは、他のあらゆる人々にとってそうであるように、喜びや笑顔もまたかれらの現実の一部であることを示し、互いが社会で共に生きるための想像力を持つことを促しました。
2012年の個展「ふつうにくらす」では、セクシュアリティやアイデンティティにまつわる日常の葛藤を描きます。さらに2019年の二人展「パレードへようこそ」では、異なるマイノリティ同士の連帯を祝福しながらも、かれらが普通に生きることの困難とそれを強いる社会の現実とを提示しました。
近年は、アクティビストとしての活動から生み出される作品も増えています。《Tools of Hope》シリーズでは抗議運動のスローガンやプラカードの体裁を利用して未来を切り開く希望を、雲の頭をもつ人物像では強制ではない自律的な連帯をそれぞれ描き、シットイン運動を参照した作品では抑圧への抵抗の新たなかたちを模索しています。
アキラは自身の著作『売男日記 / A Whore Diary』で記しているように、「本心を偽ることは、自分の保身にはなっても、世界の保身にはならない」という信念のもと、未来の世代がたとえマイノリティであろうと自由に生きられる社会の可能性、つまり「希望」を表現し続けています。
略歴
1969年 東京都生まれ
1995年 京都市立芸術大学大学院絵画研究科卒業
現在 東京を拠点に活動
主な個展
2023年「Here’s Your Playground」オオタファインアーツ、東京
2012年「ふつうにくらす」オオタファインアーツ、東京
2008年「Living Together」オオタファインアーツ、東京
主なグループ展
2022年 「Be there」オオタファインアーツ、シンガポール
2019年 「パレードへようこそ」オオタファインアーツ、東京
2018年 「STREET JUSTICE: Art, Sound and Power」Galaxy銀河系、東京
2017年 「リボーンアート・フェスティバル2017」石巻市、宮城
2011年「CAFE in Mito 2011 ― かかわりの色いろ」水戸芸術館、茨城
2010年 「ラヴズ・ボディー-生と性を巡る表現」東京都写真美術館、東京
主な所蔵先
Collection Lambert(アヴィニョン、フランス)
ワタリウム美術館(東京)
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DJ TASAKA 『Bass of Hope』Video Mix
”Individualists” by Akira the Hustler | Shot by yui hasegawa | Edited and Directed by DJ TASAKA | from the album 『Goodie Bag』| UpRight Rec.(URRCD-002) 2021年10月2日”Individualists” by Akira the Hustler Shot by yui hasegawa Edited and Directed by DJ TASAKA from the album 『Goodie Bag』 UpRight Rec.(URRCD-002)Read more -
Akira the Hustler | Individualist | 2020
2021年5月25日
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Crossroads
Akira the Hustler, Chen Wei, Cheng Ran, Masanori Handa, Zai Kuning, Yayoi Kusama, Hiraki Sawa, Guo-Liang Tan, Tang Dixin 2018年9月21日 - 11月3日 SingaporeCoinciding with Gillman Barracks Art After Dark x 6th Anniversary Celebrations, 21 September 2018, 7pm till late Ota Fin...Read more -
Be there
アキラ・ザ・ハスラー、キリ・ダレナ、嶋田美子、竹川宣彰、照屋勇賢 2018年5月15日 - 7月7日 Tokyoこのたびオオタファインアーツでは、社会的なメッセージを内包する作品によるグループ展「Be there」を開催いたします。「Be there」という言葉は、'デモや集会に参加しよう'という意味で合言葉として使われているものです。展覧会名には、...Read more -
ギャラリーコレクション
アキラ・ザ・ハスラー、リナ・バネルジー、小池真奈美、さわひらき 2017年8月26日 - 9月9日 Tokyo -
はじまりの線
2016年1月26日 - 2月20日 Tokyoオオタファインアーツでは、国内初出展作品や新作を含めたドローイング展「primal lines / はじまりの線」を開催いたします。本展では、インク、エッチング、水彩、鉛筆など、作家それぞれに異なる素材を用いて描かれた、創作の出発点ともいえ...Read more -
常設展
2015年12月8日 - 2016年1月16日 Tokyo草間彌生 照屋勇賢 南隆雄 アキラ・ザ・ハスラー ジェイ・フローレス・ティカール リナ・バネルジー ジャン・アンリRead more -
アキラ・ザ・ハスラー 「ふつうにくらす」
2012年9月8日 - 10月13日 Tokyo初日9月8日(土)18:00より、下記アーティストによるライブパフォーマンスを行います。 MC: ATS, 悪霊 / Sound: i Zoom i Rockers *入場無料Read more -
彫刻
モニール・ファーマンファーマイアン、ジャン・ワン、イ・スギョン、藤木倫史郎、照屋勇賢、アキラ・ザ・ハスラー、草間彌生、埴輪 2010年5月22日 - 7月3日 Tokyo本展覧会は、私どもの取扱い作家に加え、アジア色の強い立体作品を集めてみました。東は中国から西はイランまで、アジアの文化の帯を辿ります。 1925年イランに生まれたモニール・ファーマンファーマイアンのウォール・スカルプチャーは、イランの伝統的...Read more -
スローガン
猪瀬直哉、照屋勇賢、島田美子、アキラ・ザ・ハスラー 2009年9月7日 - 10月10日 Tokyo私どものギャラリーのある中央区勝どきはもともと「勝 ち鬨」と表記され、軍隊が「えいえい、おー」と声を上 げる雄たけびを意味します。スローガンの語源は北部 ヨーロッパで使われていたゲール語による「えいえい、 おー」、まさしく「勝どき」であると...Read more -
アキラ・ザ・ハスラー企画「Living Together」
アキラ・ザ・ハスラー 2008年1月22日 - 2月16日 TokyoWhoever we are HIV-positive or not, we're already living together.This is the concept of Living Together Project, it has...Read more -
常設展
白井美穂、前川知美、草間彌生、アキラ・ザ・ハスラー、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、照屋勇賢 2005年12月6日 - 2006年1月27日 Tokyo -
カップル
竹川宣彰、ブブ+嶋田美子、アキラ・ザ・ハスラー、草間彌生、デニス・オッペンハイム、GI JOE、ジョゼフ・コーネル 2004年6月22日 - 7月10日 Tokyo -
アキラ・ザ・ハスラー
アキラ・ザ・ハスラー 2004年5月21日 - 6月19日 Tokyo -
ギャラリー・アーティスト
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、アキラ・ザ・ハスラー、草間彌生、小沢剛 2003年6月6日 - 6月28日 Tokyoオオタファインアーツの6月は引越しのご挨拶の気持ちを込めて私どものギャラリーで取り扱うアーティストをいちどにご紹介します。 今では有名になった草間彌生を始め若手にいたるまで当ギャラリーで扱われているアーティストは一言でいうと「余白に立つ作家...Read more -
アキラ・ザ・ハスラー
2001年9月28日 - 10月20日 Tokyo -
アキラ・ザ・ハスラー
2000年8月27日 - 11月18日 Tokyoオオタファインアーツでは10月27日よりゲイ・ホストでありドラァグ・クィーンでもあるアキラ・ザ・ハスラーの展覧会を開催します。 アキラは1993年より大阪・京都のナイト・クラブでダム・タイプのメンバーとともにグループ「ザ・バイターズ」として...Read more -
バイターズ 「売女の休日」
バイターズ (ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、アキラ・ザ・ハスラー、ミカド) 1999年7月9日 - 8月7日 Tokyoオオタファインアーツは「バイターズ」をお招きして展覧会「売女の休日」をお贈りします。昨年、パリ高等美術学院での「どないやねん」展で好評を博して以来の発表です。 1993年、以前より個々に活動していたブブ、ミカド、アキラの3人のアーティストが...Read more