彫刻: モニール・ファーマンファーマイアン、ジャン・ワン、イ・スギョン、藤木倫史郎、照屋勇賢、アキラ・ザ・ハスラー、草間彌生、埴輪

Overview

本展覧会は、私どもの取扱い作家に加え、アジア色の強い立体作品を集めてみました。東は中国から西はイランまで、アジアの文化の帯を辿ります。

1925年イランに生まれたモニール・ファーマンファーマイアンのウォール・スカルプチャーは、イランの伝統的な鏡のモザイクの技法とイスラムの幾何学模様、イスラム教のシンボルを組み合わせ、光り輝く果実のような作品を生み出しています。
昨年好評を博したブリスベン、Queensland Art GalleryでのThe 6th Asia Pacific Triennale of Contemporary Artにも出展し注目を集めました。

中国を代表する彫刻家ジャン・ワンの「Artificial Rock」は、中国宋時代より始まった天然岩を愛でる儒教芸術を現代に引き出した作品シリーズです。 素材はステンレススチールですが、形はそれら伝統的な岩を形どっています。60年代初頭に北京で生まれたジャン・ワンは、圧倒的な早さで変化していく母国を見つめながら新しい技術と伝統文化の対話を可視化します。

韓国ソウル出身のイ・スギョンによる「Translated vase」は、李王朝の伝統的な陶磁器工房より廃棄された破片を集め、再構築されたシリーズです。そこには伝統文化を背負う感情的な表現はなく、傍観者としての一種の冷やかな作家の視線が存在します。スギョンは、現在開催中の「第1回 金沢・世界工芸トリエンナーレ」(6月20日まで)にも出展中です。

その他、沖縄出身の照屋勇賢による紅型技法を用いた「結い, You-I」やネット文化の申し子ともいえるメディアアーティスト、シンチカの藤木倫史郎が作る精巧且つアイキャッチーなカラー粘土の立体群など、個性豊かな「彫刻」たちから新しいアジアの位相が浮かび上がることを願います。

Works
Installation Views