嶋田美子は、1959年東京生まれ、千葉県在住。
嶋田は、昭和天皇が崩御した1988年より、女性と戦争をテーマに作品の制作を始める。それは、男性中心に語られるこの時期における女性の機能と功罪をリサーチすることにより、従来のフェミニズムを批判的に乗り越えようという試みであった。権力により組織された大日本婦人会のあり方や表象を作品中に取り込み、また韓国人慰安婦に対する日本人女性が、どのような立場をとることが可能かを検証する作品を発表した。
その後、戦争期の女性だけではなく家庭やコミュニティ内においての存在の虚実を、フィリピン、韓国、インドネシア、タイといったアジア圏で採取するフィールドワークを行う。また、トランスナショナルならぬ、トランスセクシャルを扱ったパフォーマンス作品も制作。
近年は、美術史家、アーキビストとしても活動。研究対象は戦後日本の政治と芸術、オルタナティブ美術教育、フェミニズムなど。
略歴
1959年 東京都生まれ
1982年 スクリップス大学(米国)卒業
2015年 キングストン大学(英国)博士号(美術史)取得
2017年-2023年 東京大学教養学部 非常勤講師
千葉県在住
主な個展
2023年「おまえが決めるな!」オオタファインアーツ、東京
2017年「嶋田美子キュレーション:ニルヴァーナからカタストロフィーへ——松澤宥と虚空間のコミューン」オオタファインアーツ、東京
2006年「Bones in Tansu - Family Secrets」University of Philippines, マニラ他
2002年「嶋田美子」オオタファインアーツ、東京
2001年「嶋田美子」Centre for Asian Contemporary Art、ヴァンクーバー
1996年「愛の労働」オオタファインアーツ、東京
1995年「嶋田美子」オオタファインアーツ、東京
主なグループ展
2025年「CAMP」オオタファインアーツ、東京
2022年「桜を見る会」eitoeiko、東京
2021年「Spirit Labor: Duration, Difficulty, and Affect」Garage Museum of Contemporary Art、モスクワ
2019年「表現の不自由展・その後」あいちトリエンナーレ、愛知県美術館ギャラリー
2019年「Japan Unlimited」Q21 Museums Quartier、ウィーン
1998年「Made in Occupied Japan」オオタファインアーツ、東京
1997年「Flexible Coexistance しなやかな共生」水戸芸術館、茨城
1996年「ジェンダー、記憶の底から」東京都写真美術館
1995年「Age of Anxiety」Powerplant、トロント、カナダ
主な収蔵先
東京国立近代美術館、東京
ニューヨーク公共図書館、ニューヨーク
東京都写真美術館、東京
慶応義塾大学アート・センター、東京
京都精華大学、京都
ニューヨーク市立大学、ニューヨーク
主な著作
「おまえが決めるな!東大で留学生が学ぶ《反=道徳》フェミニズム講義」(白順社、2023年)
「松澤宥と諏訪のスピリチュアリティ」『概念芸術とマテリアリティ』(Brill, 2019年)
「現代思潮社・美学校」『The Red Years: Theory, Politics and Aesthetics in the Japanese '68』(Verso, 2020年)
-
Yoshiko ShimadaResurrection, 2023Oil on canvas162 x 130.3 cm (F100)
-
Yoshiko ShimadaBattle against J.A.M.S., 2023Oil on canvas130.3 x 162 cm (F100)
-
Yoshiko ShimadaInvocation of Chu-pi-ren (mountain) 2, 2023Inkjet print42 x 28 cmEdition of 3
-
Yoshiko ShimadaInvocation of Chu-pi-ren (belvedere), 2023Inkjet print42 x 28 cmEdition of 3
-
Yoshiko ShimadaMisako Enoki Red knots, 2022Oil, vanish, thread, canvas41 x 31,8 cm
-
Yoshiko ShimadaR + R I (rest and recuperation) , 1996Etching27.7 x 70.4 cm (image)Edition of 3 plus 2 artist's proofs
-
Yoshiko ShimadaR + R II (rest and reproduction), 1996Etching27.7 x 70.4 cm (image)Edition of 3 plus 2 artist's proofs
-
Yoshiko ShimadaR + R III (rest and recreation) , 1996Etching27.7 x 70.4 cm (image)Edition of 3 plus 2 artist's proofs
-
CAMP
嶋田美子+ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、ミン・ウォン、ウォーターメロン・シスターズ[ユ・チェンタ+ミン・ウォン]、ユキ・キハラ 2025年3月15日 - 5月10日 Tokyo今グループ展「CAMP」に参加するのは、社会構造に対する鋭い批評眼を煌めかせ、知性に基づくリサーチを重ねてきたアーティストたちです。既に十分なキャリアを持つかれらは、知性を上回る感性の炸裂が、アートの実践においていかに強く人々の心を動かすか...Read more -
おまえが決めるな!
嶋田美子 2023年4月15日 - 6月17日 Tokyo* 会期を1週間延長しました。 【トーク】*Youtubeでアーカイブ映像をご覧いただけます。 「アートと社会」 嶋田美子×山本浩貴(文化研究者) 4月15日 [土] 16:00-17:30 @オオタファインアーツ *終了 「...Read more -
ギャラリーコレクション
ヨアダ、梅田哲也、アキラ・ザ・ハスラー、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ + 嶋田美子、ザイ・クーニン、さわひらき、チェン・ラン、南隆雄、タン・ディシン、ヒルミ・ジョハンディ、半田真規 2022年6月18日 - 8月6日 Tokyo -
Flame
アキラ・ザ・ハスラ―、樫木知子、ザイ・クーニン、ザン・エンリ、嶋田美子、竹川宣彰、チョン・ユギョン、ナムジュンパイク、久門剛史、リウ・チュアン 2022年2月22日 - 3月26日 Tokyo -
進行的収蔵
竹川宣彰、嶋田美子、アキラ・ザ・ハスラー、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、さわひらき、タン・ディシン、マリア・ファラー、アンディ・ウォーホル 、ナム・ジュン・パイク、Wang Zhibo 他 2019年3月19日 - 4月20日 Tokyo展示作家: 竹川宣彰 嶋田美子 アキラ・ザ・ハスラー ブブ・ド・ラ・マドレーヌ さわひらき タン・ディシン マリア・ファラー アンディ・ウォーホル ナム・ジュン・パイク Wang Zhibo 他Read more -
Be there
アキラ・ザ・ハスラー、キリ・ダレナ、嶋田美子、竹川宣彰、照屋勇賢 2018年5月15日 - 7月7日 Tokyoこのたびオオタファインアーツでは、社会的なメッセージを内包する作品によるグループ展「Be there」を開催いたします。「Be there」という言葉は、'デモや集会に参加しよう'という意味で合言葉として使われているものです。展覧会名には、...Read more -
ニルヴァーナからカタストロフィーへ ― 松澤宥と虚空間のコミューン
嶋田美子キュレーション 2017年3月3日 - 4月22日 Tokyoオオタファインアーツでは、嶋田美子のキュレーションのもと「日本概念派の始祖」として知られる松澤宥(1922~2006年)の活動を紹介する資料展「ニルヴァーナからカタストロフィーへ ― 松澤宥と虚空間のコミューン」を開催いたします。 本展では...Read more -
はじまりの線
2016年1月26日 - 2月20日 Tokyoオオタファインアーツでは、国内初出展作品や新作を含めたドローイング展「primal lines / はじまりの線」を開催いたします。本展では、インク、エッチング、水彩、鉛筆など、作家それぞれに異なる素材を用いて描かれた、創作の出発点ともいえ...Read more -
スローガン
猪瀬直哉、照屋勇賢、島田美子、アキラ・ザ・ハスラー 2009年9月7日 - 10月10日 Tokyo私どものギャラリーのある中央区勝どきはもともと「勝 ち鬨」と表記され、軍隊が「えいえい、おー」と声を上 げる雄たけびを意味します。スローガンの語源は北部 ヨーロッパで使われていたゲール語による「えいえい、 おー」、まさしく「勝どき」であると...Read more -
カップル
竹川宣彰、ブブ+嶋田美子、アキラ・ザ・ハスラー、草間彌生、デニス・オッペンハイム、GI JOE、ジョゼフ・コーネル 2004年6月22日 - 7月10日 Tokyo -
じえいたいのおんな
嶋田美子 2002年11月1日 - 11月22日 Tokyo -
嶋田美子+小沢剛
嶋田美子、小沢剛 2000年3月16日 - 4月21日 Tokyo -
おんなのからだのつかいかた
シューリー・チェン、エルネスト・プジョール、ルル・ホウ、フロッグ、BuBu+嶋田 2000年3月3日 - 3月30日 Tokyoオオタファインアーツの3月の展覧会はフェミニスト、嶋田美子の発案によるアイデンティティのグレイ・ゾーンをあつかう「おんなのからだのつかいかた」展を開催いたします。 現在、バッククラッシュを受けている90年代初頭までのアイデンティティ・ポリテ...Read more -
ビデオ・ワーク
草間彌生、小沢剛、BUBU+嶋田美子 1998年9月16日 - 10月3日 Tokyo -
メイド・イン・オキュパイド・ジャパン
ブブ+嶋田美子 1998年4月16日 - 5月9日 Tokyo私は過去何年かの作品の中で「戦争と女性」、特にアジアと日本の女性の性的役割の差異を考えてきました。しかし、近代史の中で日本の女の立場は、対アジアにおける「家族国家の一員としての母性的役割」だけではありません。対西欧においては、ほかのアジアの...Read more -
人物展
草間彌生、嶋田美子、木村忠太、ポール・デルボー、村上隆、イサム・ノグチ、デニス・オッペンハイム、ボニーリックラック、赤塚祐二、丸山直文、森村泰昌、三木富雄、イミ・クネーベル、片瀬和夫、小沢剛、平川典俊 1996年11月7日 - 11月22日 Tokyo -
愛の労働
嶋田美子 1996年4月9日 - 5月2日 Tokyo私が去年従軍慰安婦(アジア・太平洋戦争中の日本軍性奴隷)について作品を発表した時、「彼女らは売春婦だったのだから仕方がない」「兵士には性的慰安が必要」「売春は必要悪」という声が聞かれました。その時思った非常に素朴な疑問は「なぜ男ばかり性的慰...Read more -
版画展
草間彌生、嶋田美子、大竹伸朗、加納光於、赤塚祐二、イケムラレイコ、シグマー・ポルケ、イミ・クネーベル、フランチェスコ・クレメンテ、ヨーゼフ・ボイス、アド・ラインハート 1995年11月21日 - 12月20日 Tokyo -
嶋田美子
1995年2月15日 - 3月18日 Tokyo
-
嶋田美子+ブブ・ド・ラ・マドレーヌ
第13回ベルリン・ビエンナーレ「passing the fugitive on」KW Institute for Contemporary Art 他、ベルリン、ドイツ 2025年6月13日嶋田美子+ブブ・ド・ラ・マドレーヌは、ベルリンの KW Institute for Contemporary Art ほか4会場にて、2025年6月14日から9月14日まで開催される第13回ベルリン・...Read more -
嶋田美子
「Disappearing Body – Becoming Tsujimura」HEIRLOOM、コペンハーゲン、デンマーク 2025年6月6日嶋田美子は、2025年6月6日から7月13日までコペンハーゲンのHEIRLOOMにて、1960年代に活動したダンサー/パフォーマー・辻村和子のアーカイブ展「Disappearing Body - Be...Read more -
嶋田美子
「『元始女性は太陽だった』のか?」KOTARO NUKAGA Three、東京 2025年5月14日嶋田美子は、天王洲のKOTARO NUKAGA Threeにて、2025年5月17日(土)から6月14日(土)まで開催されるグループ展「『元始女性は太陽だった』のか?」に参加いたします。 タイトル: ...Read more -
嶋田美子
公開シンポジウム「中ピ連とは何だったか ——榎美沙子とリブの70年代、そして私たちの時代」京都大学人文科学研究所、京都 2025年4月12日嶋田美子は京都大学人文科学研究所・人文研アカデミーにて開催される公開シンポジウム「中ピ連とは何だったか ——榎美沙子とリブの70年代、そして私たちの時代」に参加し...Read more
-
【キャンプとドラァグ】嶋田美子 × ブブ・ド・ラ・マドレーヌ × 大坂紘一郎 座談会:明治の帝国主義をクィアする!
Tokyo Art Beat, 2025年4月25日 -
「女たちよ、自分の声で叫べ!」桐野夏生さん、嶋田美子さんがエール
毎日新聞(有料記事), 2024年11月20日 -
対談 なぜ今、中ピ連なのか 桐野夏生さんと嶋田美子さんが語り合う
毎日新聞(有料記事), 2024年11月19日 -
【対談】嶋田美子×Multiple Spirits:フェミニズムとアーカイヴ、歴史の主流に消されたものから学ぶ
福島夏子, Tokyo Art Beat, 2023年5月18日 -
嶋田美子インタビュー「アートはディスカッションが始まる場である」:Why Art?
Tokyo Art Beat, 2023年5月13日 -
Embodied Histories: Interview with Yoshiko Shimada
Ophelia Lai, Art Asia Pacific, 2019年9月9日