さわひらき 「追伸」

Overview

オオタファインアーツでは4月10日(火)よりさわひらき「追伸」展を開催いたします。
ロンドンを拠点に活動するさわは、近年では「第6回アジアパシフィックトリエンナーレ」(2009年)、「シドニービエンナーレ」(2010年)、「成都ビエンナーレ」(2011年)、「Bye Bye Kitty!!!」(2011年)など国内外の主要な展覧会に参加し活動の幅を広げています。

本展では日本ではあまりお見せする機会の少なかった2002年から2006年までに制作された初期作品5点を展示いたします。
「dwelling」(2002年)では、家主(さわ)のいない部屋の中を模型飛行機が飛び交う映像です。きわめて無機質な飛行機という物体が人間の住処を縦横無尽にしかし飛行機本来の規則正さで舞う光景を目にするとき、観る者はそこに時間、空間における違和を覚えるのではないでしょうか。あるいは「migration」(2003年)で、人間を含む動物がぎこちない動きで闊歩するという前者とは対照的な作用を求めようとする試みはとてもユニークであり、エドワード・マイブリッジの連続写真を用いながら、独自の映像空間を標榜しようとする強い意志を感じます。
「ages」(2006年)、「murmuring」(2006年)でそれぞれ「石を」「線を」動かしたかったというこの2作品は、自室で繰り広げられてきたミニマムな表現をより研ぎ澄ませることでこのシリーズの到達点を示すような深みのある作品です。
「unseenpark」(2006年)では従来の作風から一転します。自室を飛び出し実写と虚構の映像空間をより広く自由に使おうとする試みや、実在する飛行機や動物や日用品ではなく誰も見たことのないファンタジックなイメージの多用は、以前の作品からの大きな変化を模索しているようです。
現在のさわの作品に通ずる豊かな表現の萌芽たちをごゆっくりとご覧ください。

出展作品:「dwelling」(2002年)、「migration」(2003年)、「ages」(2006年)、「murmuring」(2006年)、「unseenpark」(2006年)

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