携帯電話の電源を切ったとき、絵画は雄弁に語りだす。: 小池真奈美、樫木知子、フィロズ・マハムド

Overview

  

オオタファインアーツでは、小沢剛と弊廊鶴田依子の共同企画として、若手作家3名によるグループ展を開催いたします。

両者が魅力を感じる作家を持ち寄ったところ、奇しくも絵画表現を主とする作家が集まったことから、表題の通りの絵画展を開催することとなりました。出品作家3名はいずれもこの春から大学院博士課程に籍を置く若い作家達です。3作家の作品には一見統一性は認められませんが、期せずして共通する平面表現の手法や、主題および対象物の選択などに西欧近代から遠く離れようとする意思を感じます。 言い換えれば共通項としてアジアのリアリティや想像力を持ち併せていると言えるのかもしれません。

小池真奈美は、落語をベースに油画の制作を行っており、中でも「粗忽長屋」や「天狗裁き」といった幻想的な主題の落語を鮮烈な色彩をもって描いています。
市販の絵筆ではなく、スポンジを使った自作の筆で描かれた絵画は、油画でありながら独特の滲みを見せ、特異なフィクションの世界を見事に絵画化しています。

樫木知子の絵画は、日本画の白描を思わせる流麗な描写がジェッソとアクリルで描かれ、表面をサンダーで磨くことで平滑なテクスチュアを持ち、不思議な透明感をたたえています。しばしば描かれる女性像は、時に断片化し、背景の堆積する色層と混交しながら観る者を絵画表面からさらに奥へと誘います。

フィロズ・マハムドの作品に特徴的な緑の色彩は、彼の出自であるバングラデシュの国旗の色でもあります。
その緑で、神話化されもする特権階級の人々の肖像を、バングラデシュの田舎で市井の人が伝統的に使うステンシル技法で描く事で、母国の社会環境、階層と制限の存在とそれに対するラブアンドヘイトを私達に伝えてくれます。

Works
Installation Views