グオリャン・タン

2020年6月17日 - 7月8日
  • グオリャン・タン(1980年、シンガポール生まれ)は、絵画を主な媒体として制作活動を続けている。そこから派生して、文字やコラージュ、ビデオ作品など他の媒体も手がけている。媒体を問わず、彼の作品においてはその表面こそが、情動の表現を形にし、抽象という霊との会話を呼び寄せる場なのである。空白や重なり、跡や断片は、タンの制作過程を象徴するものである。タンの興味は、それがどう私たちの時間や身体、記憶に関する感覚を形作り、また導いていくのかという問いに根ざしている。

    グオリャン・タン(1980年、シンガポール生まれ)は、絵画を主な媒体として制作活動を続けている。そこから派生して、文字やコラージュ、ビデオ作品など他の媒体も手がけている。媒体を問わず、彼の作品においてはその表面こそが、情動の表現を形にし、抽象という霊との会話を呼び寄せる場なのである。空白や重なり、跡や断片は、タンの制作過程を象徴するものである。タンの興味は、それがどう私たちの時間や身体、記憶に関する感覚を形作り、また導いていくのかという問いに根ざしている。

  • 「飛行機の模型に使われる布を使っての作品制作を始めて、しばらくが経ちました。最近では、それに加えて新しい手法の取り組みも進めています。集めてきた合成繊維を用いて、モノプリントの手法も取り入れました。繊維をほぐし、布の上に重ねます。その上から顔料を流し、乾いてからその繊維を外すと、抽象的な形が現れます。時折、一度作った跡を消すこともあります。半透明がもつ質感、そして物質の表面が持つ情動とますます深く関わるようになってきました。」 -グオリャン・タン

    「飛行機の模型に使われる布を使っての作品制作を始めて、しばらくが経ちました。最近では、それに加えて新しい手法の取り組みも進めています。集めてきた合成繊維を用いて、モノプリントの手法も取り入れました。繊維をほぐし、布の上に重ねます。その上から顔料を流し、乾いてからその繊維を外すと、抽象的な形が現れます。時折、一度作った跡を消すこともあります。半透明がもつ質感、そして物質の表面が持つ情動とますます深く関わるようになってきました。」

     

    -グオリャン・タン

    • Guo-Liang Tan Untitled (Nighthawk), 2020 Acrylic on aeronautical fabric, wood 90 x 75 cm
      Guo-Liang Tan
      Untitled (Nighthawk), 2020
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      90 x 75 cm
    • Guo-Liang Tan Amphibian Wisps, 2020 Acrylic on aeronautical fabric, wood 150 x 130 cm
      Guo-Liang Tan
      Amphibian Wisps, 2020
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      150 x 130 cm
    • Guo-Liang Tan Light Frays I, 2019 Acrylic on aeronautical fabric, wood 121.1 x 100.6 cm
      Guo-Liang Tan
      Light Frays I, 2019
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      121.1 x 100.6 cm
  • 展示風景:「Ghost Screen」オオタファインアーツ・シンガポール(2017)/「Reformations」NTU ADMギャラリー(2019)/「Ethereal Machines」オオタファインアーツ・上海(2018)

     

    タンは筆を用いて直接跡をつけるのではなく、顔料を薄めたものを張った布地の表面で泳がせる。その過程を通して色の滲みや跡を作り出し、折る、裂く、切る、縫う、覆う、伸ばすといった布自体に起こりうることを、形で表すのである。色同士はその境目で滲み、重なり合い、一方で余白は平面上で強弱を成す。潜在的な空間が現れ、表面とそれを支えるものとの関係性は反転する。こうした例において、作品は具体と抽象、光学と触覚を、緊張感のある単一の表面へと融合させる。

    • Guo-Liang Tan Cherry Plumes, 2019 Acrylic on aeronautical fabric, wood 163 x 138 cm
      Guo-Liang Tan
      Cherry Plumes, 2019
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      163 x 138 cm
    • Guo-Liang Tan Untitled (Retrograde), 2019 Acrylic on aeronautical fabric, wood 110 x 90 cm
      Guo-Liang Tan
      Untitled (Retrograde), 2019
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      110 x 90 cm
    • Guo-Liang Tan Body Memory, 2018 Acrylic on aeronautical fabric, wood 150.3 x 130.2 cm
      Guo-Liang Tan
      Body Memory, 2018
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      150.3 x 130.2 cm
  • 「これらの作品は一見すると、ただの絵に見えるかもしれませんが、版画やコラージュから比喩や制作過程を借用してるのです。そうした2次元に対する異なるアプローチがどう相互に作用するか、また『構成』するということが何を意味するのかについてより深く考えたいと思っています。」

     

    -グオリャン・タン

    • Guo-Liang Tan Her Master's Voice, 2015 Acrylic on aeronautical fabric, wood 144 x 121 cm
      Guo-Liang Tan
      Her Master's Voice, 2015
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      144 x 121 cm
    • Guo-Liang Tan Broken Kisses, 2015 Acrylic on aeronautical fabric, wood 50 x 40.8 cm
      Guo-Liang Tan
      Broken Kisses, 2015
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      50 x 40.8 cm
    • Guo-Liang Tan Untitled (Cassiopeia) , 2015 Acrylic on aeronautical fabric, wood 151 x 131 cm
      Guo-Liang Tan
      Untitled (Cassiopeia) , 2015
      Acrylic on aeronautical fabric, wood
      151 x 131 cm
  • 作家略歴

    タンは、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ・ファインアート&クリティカルスタディーズ専攻を卒業、グラスゴー芸術大学ファインアート専攻を修了。ドイツ、フランクフルト・アン・マインのシュテーデル美術大学に一時在籍、またシンガポールのNTU Centre of Contemporary Artにてレジデンス経験あり。Singapore National Arts Council Scholarship、Antje und Jürgen Conzelmann Preis for paintingを過去に受賞、Sovereign Asian Art Prizeのファイナリストに選出された。タンの作品は、ヨーロッパとアジアで広く展示され、また収蔵されている。最近の展覧会に、「Play Dead」Space Cottonseed 、シンガポール(2012年)、 「The Trouble With Painting Today」Pump House Gallery、ロンドン(2014年)、「Ghost Screen」オオタファインアーツ、 シンガポール(2017年)、「A Different Way Of (Thinking About) Painting?」Langgeng Art Foundation、ジョグジャカルタ(2017年)、「Ethereal Machines」オオタファインアーツ 、上海(2018年)、「DEPTHS: Others, Lands, Selves」Elevation Laos、ビエンチャン(2018年)、「Reformations」NTU ADM Gallery、シンガポール(2019年)。